〜衝撃〜




落ち着いた所で・・・

彼女も僕も疲れきっていた
当たり前ですよ〜

だけど、僕には話すべきことがあった


一つは前回はなしたけど、もう一つ
知ってしまった事実
言うべきか、言わぬべきか・・・
彼女の為に、言った方が良いというのか?
このまま、隠せばそれは、それで、終わる
ただ、彼女に一生のこる、心に残るもの・・・塞ぐ事のできないものになってしまうかもしれない
反対に、言ってしまうと
彼女は衝撃のあまり、どうなるか分からない


とりあえず、2人は寄り添いあって、眠りについていた

ちょうど、ビコの膝枕にプレイスが、プレイスの倒れ掛かったビコ



朝、その日の寝癖は最悪なものだった
雨が近いな・・・
雨・・・誰の雨だろう?


結局、今日話す事にした

ビコは僕の思った通りの反応をしてくれた

何故?それは、絶対なの?

そんな哀しい眼をしないで下さい・・・お願いですから
分かりますけど、確かに分かりますけど・・・ホントです

・・・そぅ・・・・・

もしかして、僕は言ってはならない事を口にしました・・・か?

いいえ、プレイス。ありがとう!今は、分からないわ・・・だけど、ありがとう。悲しみが長続きしないうちに聞けて・・・


ううむ、本当にこれでよかったのか?
今の僕に、何も分かるはずがない
そもそも、この話をした時点で何も進展はない
今宵、あやつに会う事は、今では知らない


本当の悪夢なのかもしれない・・・

えっ?・・・そうですね、でも・・・十分ここまででも悪夢ですよ♪

湿った空気を笑って誤魔化した
彼女も対応してくれた
その表情、今でも忘れない。作り笑顔でない、明るい笑顔を
笑えるはずがない・・・それでも、彼女の笑顔は素晴らしく―――


再び月が上がる、月灯にできる2つの影
忍び寄る1つの影・・・




〜2つの心〜


「なんだ、なんだ??まるで、俺がいる事を知っているかのような態度だなぁ??」
今は、いつも嫌に見ていたあいつが、複雑な心境に見えてきてしまう…
「?驚いて欲しかったのかい?」
「お前…ふざけてんのかゴルァ!!!!」
そういうと、いつもの大きな刀を抜いて
「見納めにしてやるよ…この刀も、俺も、そして、この世界も!!」
プレイスは、やれやれという感じ、冷静に対応しようとする
「いや、待て待て。僕は、君を倒しに来たんじゃなくて…まぁ、話せば少しはわかtt…」
話しきる前に、刀がうなる
「プレイスっ!!!」
「うわっと、だから〜頼むからさぁ…」
「話なんてーーーーーないっ!!!!!!」

ビュン!

ザシュッ!

「やめてくれって!僕たちは、お前を失いたくないんだ!だから」
「はぁん?何言ってんの?頭イカレちまったか??」

「タキオンッ!!!!!」

「タ……キオン?」
「そうよ、あなたはタキオンなのよ!今は、何かに操られてるだけで…」
「……」
「タキオン、思い出して!!」
「タキオン?俺が?タキオン???」
「そうだ、君はタキオンなんだ!!スティンガじゃなくて、タキオンなんだよ!!」
「タキオン!!お願いだから正気に戻って!!!」
「………やめろ……やめろ!!!!!その名前を言うな!!!!俺はスティンガだ!!!!そんな名前しらん!!!!」
「そんな!だって、タキオ…」
「うるせーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

一瞬、動きの止まったスティンガだったが、再び二人に向かって飛び掛った

「ぐっ…やめてくれ!タキオン、思い出してくれ!!!」
「言うな言うな言うな!!!!その名を言うなーーーーーー!!!」

彼は刀を振り回しながらも、頭を抱え込み、何かを振り払うかのようだった


やはり、彼は、スティンガ=タキオンだった

誰に、どうして、操られているのか?乗り移られてるのか分からないが
彼の中には、まだタキオンが残っている(残る?)


振り回していた刀が、避け続けていたプレイスに当たってしまった
予測の付かない動きになり、運が悪く、刀が突き刺さる

「プレイスッ!!!」
「…ハァ、ハァ……タキオ、ン……」
「うっせぇぇぇぇぇええええ!!!!」


「やめて!タキオン!!!お願いだから目を覚まして!!!!」
「うわわぁぁぁぁ!!!!!!やめてくれぇぇぁぁぁぁあああ!!!!!!」

なおも、彼は刀を振り回す

ビコも必死で逃げていたが、これまた運悪く刀の先端を霞め、飛ばされる
すると、スティンガは、少し落ち着いた感じに、ビコに詰め寄り

「…はぁはぁ!追い詰めたぞ……さぁ、これであのヨ行きだ……」

ビコは、恐怖・絶望etcで、泣きじゃくった声

「や、やめて〜タキオン!!!!タキオンッお願い!やめて!!!」

彼が刀を振りかぶる

「今楽にしてやるよ…」




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